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理科 野外観察ハンドブック(指導者用・初級編) | 滋賀県総合教育センター

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野外観察ハンドブック

目次

は じ め に ………

①子どもたちと一緒に自然を感じるためのポイント

………

②観察場所をさがそう

………

③下見をしっかりと行おう(野外観察下見チェックシート)

………

④現地でこれだけは子どもたちに伝えよう

………

⑤服装・持ち物

………

⑥見つけた生き物の名前の調べ方

………

観察に役立つ教具

双眼実体顕微鏡・観察カップ

………

小物入れを利用した観察容器・チャック付きビニル袋

…………

⑧虫めがねの使い方

………

10

⑨スケッチをさせる時のポイント

………

11

⑩観察カードの例

………

12

野外活動の心構え、注意が必要な動植物とその対処法について …………

<具体例>

13

・ヘビ(マムシ・ヤマカガシ)

………

14

・スズメバチ(キイロスズメバチ・オオスズメバチ)

………

15

・アシナガバチ

………

16

・ミツバチ

………

17

・ツタウルシ

………

18

・ヤマウルシ、ヌルデ、ヤマハゼ

………

19

・トビズムカデ

………

(3)

はじめに

子どもたちは、野外に出かけることが大好きです。小枝や落ち葉、木の

実を拾ったり、ダンゴムシなどの小さな生き物を見つけたりするだけで、

目を輝かせます。自然はたくさんの楽しさや驚き、不思議さや感動を私た

ちに与えてくれます。一方、野外観察においては、子どもたちの安全を確

保するために十分な事前の準備が必要となってきます。

そこで、指導者が子どもたちと野外に出て、一緒に有意義な時間を過ご

してほしいという思いとその一助になればと、この野外活動ハンドブック

を作成しました。内容としては、事前の準備に関すること、指導に関する

こと、安全に関することなど基本となるポイントを中心に掲載しました。

本ハンドブック使用にあたって、指導者が出かける場所や季節、また学年

に応じて必要な事項を書き込むことによって、その学校独自のハンドブッ

クにもなると思います。本書がさらに充実したハンドブックになりますよ

う先生方からのご意見やご感想を滋賀県総合教育センター科学教育チーム

までお願いいたします。

最後になりましたが、本ハンドブックが先生方と子どもたちの豊かな野

外観察のきっかけとなり、ご活用いただけるよう願っています。

(4)

①子どもたちと一緒に自然を感じるためのポイント

立ち止まってみよう

立ち止まって、じっくりと見てみることによって、普段何気なく見すごし、通りすぎていっ ている場所にも新しい発見があるかもしれません。

しゃがんでみよう

視線を低くすることによって、立っているときには気がつかなかった植物や動物が見えてく 。 。 ることもあるでしょう 葉っぱの裏側や石の隙間にいる生き物を発見できるかもしれません

耳をすましてみよう

耳をすましてみると、鳥や虫の鳴き声や動く音、葉が風にゆらぐ音など今まであまり 気にすることがなかった音も聞こえてくるでしょう。

やさしくふれてみよう

実際に葉っぱに触れてみることで、目で見ただけでは気がつかない、ツルツル、ザラザラと いった感触があります (指導者は子どもたちが安心して活動できるように有毒生物などの知。 識を深めましょう )。

鼻を近づけてみよう

自然物にもあまい、くさいといったにおいがあります。また、葉っぱをもみつぶしてみて、 はじめてにおいがするもの(シキミなど)もあります。においを感じることも自然を感じる 手だてです。

つながりを考えてみよう

「 」、「 」 、 、 自然の中には 食べる 食べられる の関係のほかに 植物が色やにおいで鳥や虫を集め 種子を運ばせたり受粉をさせたりするというようなつながりもあります。また、特定の植物 に産卵をしたり、そこをすみかとしている生き物もいます。このようなつながりに気付くこ とも大切です。

表現してみよう

見たものを絵にしてみたり、自然素材で楽器やおもちゃなどを作ったりすることによって、 子どもたちの創造性を広げたり、自然に対する親しみの気もちが増したりできるでしょう。

ふりかえろう、そしてわかちあおう

体験の後、学んだことを発表したり、振り返りの時間をもったりすることで、新たな気づき が生まれるでしょう。また、それをお互いに交流することで、他者を認めたり、思いやった りする気もちが増すでしょう。 (参考文献 島川武治『保育専科』フレーベル館)

(5)

②観察場所をさがそう

まずは、自分で地域に出かけ、観察に適した場所を探してみることが大切です。見

つからないときは、地域のことに詳しい同僚や保護者にたずねてみてはどうでしょう

か。あるいはひょっとすると子どもたちの方がよく知っているかもしれません。周り

の人からのアドバイスをもとに行ってみた下見の途中に、もっと観察に適した場所が

見つかるかもしれません。遠くにある森や林よりも、学校の近くにある道ばたや田ん

ぼの方が観察にふさわしい場所となることもあるでしょう。観察場所を探しに行く際

には、筆記用具のほかにディジタルカメラを用意しておくと、振り返るのに役立つで

しょう。

観察場所を探すときに描いたメモ

(6)

③下見をしっかりと行おう(野外観察下見チェックシート)

野外観察下見チェックシート

下見場所【 】 下見日:【 】月【 】日 天 気:【 】 *観察場所の地図があればあらかじめ用意しておく *当日の引率者に観察場所の地図をわたすことにより、下見時の情報を共有し指導に生かすようにする ①現地に着くまで ◇現地までの経路、安全確認 メモ【 】 (少しぐらい遠回りでも安全な歩道がある道を選ぶ) ◇所要時間は子どもが歩いてどれぐらいで到着できるか調べる → 約【 】分 ◇所有者は誰か → → → → → → 確 認【済・未】 →使用許可【済・未】 (私有地か公有地なのかよく確認し、使用許可を得ておく) 川の堤防などであっても私有地が含まれている場合があるので要確認) ( ②現地に着いたら ◇観察しようとしている動植物が見られるか (季節の移り変わりは早いので実施日の直前にも再度下見に行き確認をしておこう )。 見られた動植物 ◇集合場所(休憩場所) →【有・無 (地図に印をしておく)】 (活動人数にあった広さがあるか・集合しやすい場所であるか) ◇トイレの有無 →【有・無 (地図に印をしておく)】 (トイレットペーパー→【有・無 、水道→【有・無 )】 】 ◇注意が必要な動植物 →【有・無 (地図に印をしておく)】 例 植物(ツタウルシ、ヤマウルシ、ヌルデ、ヤマハゼ…) 動物・ハチの仲間(スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチ…) ・ヘビの仲間(マムシ、ヤマカガシ…) ・そのほか (ムカデ…) ◇危険箇所(がけ、水路、池、ぬかるみ…) →【有・無 (地図に印をしておく)】 *実施当日には、危険箇所に指導者が立って声かけをしたり、ロープを張って立ち入り禁止にしたりする。

(7)

④現地でこれだけは子どもたちに伝えよう

<安全面>

◇活動範囲と危険箇所 危険箇所や注意が必要な動植物の場所は必ず全員に伝え、 ◇注意が必要な動植物 必要に応じて一緒に確認をする。 ◇集合場所、集合時刻(例:○○分後、笛の合図が聞こえたら…) トイレの場所 ◇ 安全に活動するために ◇ ・自分の身は自分で守る(決して無理な行動はとらない) ・走り回らない (張り出している木の根や草のつるにつまずいてこけてけがをしたり、 滑落・転落してしまうのを防ぐため) ・木の枝のはね返りによる目や顔へのけがに注意する ・草むらにはいきなり入ったり、穴などに手を入れたりしない (おどろいたヘビに噛まれないように) ・複数で行動する(安全のため) ・自分は「安全」だと思っていても、結果としてまわりの人を「危険」にしてしまわないように十 分気を付ける

<学習面>

生き物に出会い、継続して観察するために ◇ ・大きな声を出してさわがない (昆虫や鳥などの生き物がこわがってかくれたり、逃げてしまったりすることがあります) ・植物を採って、家や学校に持って帰ってもうまく育たないものです 希少な物は特に気を付ける(むやみに採らない、踏みつけない) 子どものモチベーションを高めるためのヒントを与える ◇ (○○が見られるよ。○○な色の葉っぱがあるよ )。 ●マナー・エチケット ◇ごみは必ずもって帰る ◇採集した生物は基本的にはもって帰らない ◇観察場所のルールを守る 例:この公園内では植物の採集が一切禁止されています ◇学習のために持ち帰った場合は責任をもって飼育する ・にがすときは捕まえた場所でにがす。ただし 「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に、 関する条例」において、捕獲した外来魚については放すことが禁じられています。

(8)

⑤服装・持ち物

指導者であっても子どもたちであっても基本的に服装や持ち物は同じです。ただし、指導者は、 緊急時に備えるためのものを用意する必要があります 『だれでも、どこでも、気軽に楽しめるの。 が野外観察のいいところ』なので、できるだけ持ち物は少なくなるようにしましょう そのとき、肩や背中に掛けられるカバンなどを用意しておくと両手が自由になるため活動がしやす くなるだけでなく、また緊急時への対処もしやすくなるでしょう。 ★服装(指導者・児童共通) ・ぼうし(黒色はハチを刺激しやすい色なのでさける) ・長そでの上着 ・長ズボン(水の中に入るときは半ズボン) ・タオル(首筋を守るため) ・歩きやすい靴(水の中に入るときは、脱げにくくすべりにくい靴) ★指導者の持ち物 ・緊急時の連絡先が書いてあるもの ・ホイッスル ・筆記用具 ・メモ帳 ・軍手 ・ビニール手袋 ・雨具 ・チャック付きビニール袋 ・デジタルカメラ ・水筒 ・携帯電話 など観察場所によって考える ・救急セット ばんそうこう、包帯、ガーゼ、脱脂綿、はさみ、ピンセット 虫さされ用の軟膏、消毒薬、ティッシュなど ☆児童の持ち物 ・筆記用具 ・記録用紙 観察する対象や場所によって(必要な持ち物) ・虫めがね ・双眼鏡 ・虫かご(レジ袋) ・虫とりあみ ・軍手 ・ビニール手袋 ・雨具 ・水筒 (昆虫など動く生き物をしばらく袋に入れると観察しやすい) ・チャック付きビニール袋

⑥見つけた生物の名前の調べ方

見つけた生物の名前を覚えることが、学習の目的ではありません。しかし、名前を知ることによ って、食べ物、生息場所、活動する時期、同じ仲間、ほかの生物との関わりなどもわかり、学習が 終わった後も継続して興味や関心をもって観察をしようとする子どもたちも出てくると思います。 子どもたちは、採集した生物の名前がわからないと、すぐに聞いてきます。昆虫や植物に詳しい 人でも、名前がわからない生き物はたくさんあり、わからないときは「先生もわからないから、一 緒に調べようね」と返事をし、あとでゆっくりと調べてみることが大切です。特徴を入力すること で名前を絞り込んでいく○○図鑑のようなインターネットのサイトを利用してみるのもひとつの方 法です。それでも、名前がわからない場合は、よく知っている人や近くにある博物館にたずねると いう方法もあります。

(9)

⑦観察に役立つ教具

☆双眼実体顕微鏡

<特徴> ・直径11mmの範囲を20倍で立体的に見ることができます。 ・薄暗い野外でも使えるように照明装置が内蔵されています。 ・ストラップや専用のソフトケースが付いていて、野外への持 ち運びに便利ですが、じっくりと観察をさせたいのなら教室 など屋内で使用する方がおすすめです。 写真:Nikon社製 「携帯型実体顕微鏡 ファーブル」 小さな試料をズームアップして見ることができます!

☆観察カップ

【観察カップ底面に書かれているスケール】 写真:株式会社 コピター・ジャパン社製「カップレンズ BL-004」 <特徴> ・昆虫や植物などを手軽に観察できるレンズ付の透明カップです。 ・上部のふたには空気穴がついているので昆虫などの動きのある小動物を 長時間観察することもできます。 ・底面にはスケールがついているので、実際の大きさを知るのに便利です。 ・レンズの倍率は約5倍、容器の内径約4cm、高さ約6cmです。 ・1個300円前後で購入することができます。 <注意点> ・直接観察カップに日光が当たると短時間でカップの中の温度が急激に上がります。 特に晴れた日の野外ではできるだけ短い時間での観察にすることが大切です。

(10)

⑦観察に役立つ教具

(手軽に準備ができます!)

☆小物入れを利用した観察容器

<特徴> ・観察カップやチャック付きビニール袋に入らない生き 物を入れて観察をするときに使用します。 ・はねたり跳んだりする生き物を虫かごの中で観察をす ると動き回りじっくりと観察するのが困難ですが、容 器に厚みがなく観察しやすくなります。 ・様々なサイズの容器が販売されているので、容易に準 備をすることができます。 ・写真のような仕切りがある容器を使うと様々な形の生 き物に対応できます。 ・容器の裏面に透明のものさしを貼っておくと、観察し た生き物の実際の長さが測ることができます。 <注意点> ・小動物を観察するときには、呼吸ができるように、穴をあけておくことが必要です。 ・容器の中は小動物にとって、とても窮屈な場所となります。また、直接容器に日光が当たると短 時間で袋の中の温度が急激に上がるので、特に、晴れた日の野外の場合できるだけ短い時間での 観察にすることが大切です。 (手軽に準備ができます!)

☆チャック付きビニール袋

<特徴> ・チャック付きのため袋の中に入れたものが出てしまうことが ありません。 ・虫かごの中などでは動き回り、じっくりと観察をしにくい小 動物を袋の中に入れると小動物の動きが制限され、観察がし やすくなります。 。 ・葉っぱや種など植物を観察するときにも使うことができます ・様々なサイズの袋が販売されているので、容易に準備をする ことができます。 <注意点> ・小動物を観察するときには、呼吸ができるように、穴をあけておくことが必要です。 ・袋の中は小動物にとって、とても窮屈な場所となります。また、直接ビニール袋に日光が当たる と短時間で袋の中の温度が急激に上がるので、特に、晴れた日の野外の場合できるだけ短い時間 での観察にすることが大切です。

(11)

⑧虫めがねの使い方

見たいものが動かせる場合と動かせない場合によって使い方がちがいます

◇見たいものが動かせるとき ◇見たいものが動かせないとき ①虫めがねを目に近づける ①虫めがねを見たいものに近づける ②見たいものを前後に動かして ②体を見たいものに近づける ピントを合わせる ③虫めがねを前後に動かして ピントを合わせる ◆気を付けること 目をいためる。失明する危険がある ・絶対に太陽を見ない→ やけどや発火の危険がある ・日光を集めて衣服や人、物に当てない→ 置く場所によっては日光が集まり発火することもある ・日光の当たるところに放置しない→ ・レンズに細かい砂などがついたまま布などで拭き取ると、レンズに傷をつけてしまうことに もなるので吹き飛ばす。その後、柔らかい布で拭くようにする。 ◆そのほか ・使用前と使用後には破損がないか調べる。 ・貸し出した数がきちんと返却されているか確認する。

(12)

⑨スケッチをさせるときのポイント

・マス目や罫線が書かれていない紙を用意する。 ・何を書かせたいか(子どもが見る視点)をはっきりとさせる。 例:昆虫の足がどこについているか、花びらの形など ・ スケッチ=絵を描くこと」と思っている子どもたちも多いので、一度教師が子どもたちの前で「 花や昆虫などのスケッチを、説明を加えながら順に描いてみると子どもたちも理解しやすい。

『大切なのは自分の目でしっかりと見ることです。そのときに虫めがねなどが

あると、さらにくわしく見ることができるでしょう』

・描こうとしているものを、かげなどをつけずにくっきりとした線でかく。 ・記録の質を高めるために、絵だけでなく数字も使う (高さ、長さ、花びらの枚数など)。 ・スケッチをする対象の特徴を表す言葉(例: 葉の付き方は「 」、「葉のふちは」、「葉の形は 、」 「羽の数は」、「足の数は」、「手ざわりは」、「鳴き声は」、「動き方は」、「色は」、「においは」 など)を使うことによって、スケッチでは表現しにくい特徴を記録することができます。 <葉を例にとってみると> 葉のつき方は? ◇ 向かい合う 互いちがい 1カ所に3枚以上 葉のふちは? ◇ まるい ぎざきざ 波打っている 葉の形は? ◇ まるい ハート 細長い たまご そらまめ

(13)

⑩観察カードの例

観察カードには記録者の名前のほかに 【観察したもの、観察した日、観察した時刻(○時間目 、観察場所、天気、気温、) 気がついたこと】を書かせるようにしましょう。 また、観察カードの余白に特に注意して観察をさせたい項目を書き挙げておくと、何に注目 をしながら観察をすればよいかはっきりとするので集中 して取り組むことができます。 さらに、観察をさせたい項目を子どもたちが自身が考える ことができれば子どもたちの 観察意欲が持続し、すばらしい観察カードになるでしょう。 名前( )

カ マ キ リ

】のかんさつ

6

)月(

24

)日(

)曜日 (

)時間目 かんさつした場所(

運動場

鉄棒の下の草の中

) 天気(

晴れ

) 気温(

25

)℃ 3年1組のみんな で考えた、しっか りとかんさつをす るポイント ☆動物の場合 こん虫など) ( ・大きさは? ・色は? ・形は? ・なき声は? ・手ざわりは? ・足の数は? ・動き方は? ・はねの数は? ☆植物の場合 花や草など) ( ・高さは? ・色は? ・太さは? ・においは? ・手ざわりは?

草の間を動いていました 草と同じようなちゃ色をしていたので

・もようは?

見つけにくかったです。でも、よく見るとあと5ひきほどいまし

・葉の形は?

た。ちゃ色だけでなく、きみどり色のカマキリもいました。

大きさは5cmぐらい

足 は 6 本

するどい足

(14)

<野外での学習を子どもと一緒に楽しむために>

心構え

野外に出ての活動は、自然から得る感動も大きい反面、様々な危険もはらんでいます。安全対策 『 』 、 、 は 危ない からといって子どもの行動をいろいろと制限するよりも あらかじめ危険を予測して 危険をなくす、あるいは緩和するという方向で考えましょう。子どもに対しても、どこに危険が潜 んでいるかを伝え、自己回避の考え方を伝えましょう。それと同時に指導者は、注意が必要な動植 物についての基本的な知識をもっておくことで、冷静で的確な対応をすることができるでしょう。

注意が必要な動植物とその対処法

①ヘビ

ヘビに噛まれたら、とにかく病院へ!

*たとえ毒ヘビでなくても、ばい菌で化膿する場合があります。 *かまれたときには、どんなヘビだったのか(色や模様など 、医師に伝えることができると) いいでしょう。 <予防法> ヘビに危害を加えないこと (ヘビは本来臆病な生きものです)。 藪や木の穴、石の陰などに安易に手足を入れないこと。

②ハチ

ハチに刺されたら、患部を水で洗い、虫さされ軟膏を塗る!

*ミツバチに刺されたら、ピンセットなどを使って先に針を取り除くこと。 *応急処置後は病院へ行って、診てもらいましょう。 *過去にハチに刺されていると、身体が過剰反応することがあります。 致命傷になる可能性もあるので、子どもの被害経験を知っておきましょう。 <予防法> ハチの姿を見たら近づかない。ハチが近づいてきたら動かない。

③かぶれる植物(ツタウルシ

ウルシ

ヤマハゼ

ヌルデ

ギンナンなど)

かぶれたら、掻かずに、冷やして、かゆみ止め軟膏を塗る!

<予防法> 肌の露出を少なくすること。種類を覚え、これらに近づかない。 *植物のかぶれは季節差があり、初夏から夏の時期が最もかぶれやすいです。また、個人差があ るので、子どもの体質を理解しておきましょう。 *ウルシの仲間は時間がたってからかぶれたり、かゆくなったりします。 注意が必要な主な動植物 鳥 類 カラス(産卵、子育ての時期は攻撃されることがある) 両生類 イモリ ヒキガエル(どちらも皮膚に毒をもっている) 昆虫など ムカデ ヒル ダニ ほ乳類 サル イノシシ そのほか ヤマゴボウ キノコ類

(15)

◇注意が必要な動植物とその対処法の具体例◇

ヘビ

マムシ・ヤマカガシ

<かまれないために>

・毒ヘビがいそうなところでは、裸足やサ

ンダルでは歩かない。

・毒ヘビは、石や朽ち木の下、穴の中など

にひそんでいることが多い。昆虫採集な

どのときに、このようなところにいきな

り手を突っ込んだりしない。

・どうしてもヘビの出そうな草むらや藪の

マムシ

中を歩くときは、長ぐつなどをはく。

・なるべく道をはずれて、ヤブの中に入ったりしない。

・ヘビを見つけてもあわてる必要はない。ヘビが攻撃できる距離(マムシの場合で約

50cm)は限られているので、危害を加えたりせず(足で踏んだり、つかんだり

しないで)ヘビの方から逃げ去るまで、じっと待つようにする。

・死んでいるように見えるヘビでも、いきなり手でつかまないようにする。

(生きている場合もあるし、死ぬ間際の状態であっても、つかもうとすると筋肉の

反射でかみつくことがある)

<かまれたときの対処法>

1.あわてない

マムシやハブの場合、毒の回りは遅いので、すぐに死ぬということはない。落ち

着くことが肝心である。あわてると脈拍が速くなるので、毒の回りも速くなる。

医師のところまで自力で歩かなければならない場合であっても、同様の理由であ

わてずゆっくりと歩く。

2.かまれたところを冷やしてはいけない

かつては、毒ヘビにかまれたところは冷やした方がよいとされてきたが、冷やす

ことによって組織の破壊を促進してしまうことがわかった 誤解しがちであるが

冷水などで冷やすことがないように。

(16)

◇注意が必要な動植物とその対処法の具体例◇

スズメバチ

(オオスズメバチ・キイロスズメバチ)

<特徴>

オオスズメバチ、キイロスズメバチなど数種類が

日本全土に生息 黄色と黒色を基調とした色である

大型でアシナガバチのように足をたらさず、ハエや

アブやベッコウバチ類よりも飛ぶときに重い感じが

する。顔が大きく、特に口はあごが発達していて

肉食である。攻撃性が強く、毒性も強い。

初夏から晩秋にかけては、個体数が多く気が立っ

ているので被害が集中する(特に秋 。攻撃の際は

体を曲げて針を人間に向けながら近づいてくる。

オオスズメバチ

<症状>

・激痛があり、刺された箇所が大きく赤くはれる。

・重傷の場合、呼吸困難、頭痛、おう吐、発熱、腎臓障害などがみられる。

・アナフィラキシーショック(一度刺されることで体内にハチの毒への抗体ができ、

それによって2度目以降に刺された場合、体がハチ毒に過剰に反応して起こるショ

ック症状)で死亡する場合もある。

<手当て>

・ハチの毒は水にとけやすいので刺されたらすぐに

患部を流水で洗い流す。

・抗ヒスタミン剤を含んだステロイド軟膏を塗る。

・濡れタオルや冷湿布などで患部を冷やすと痛みが軽減する。

・病院へ連れて行く。

<予防法>

・黒っぽい服装をさける(黒色は八チを刺激しやすい色です 。

・あらかじめ巣がないかよく調べておく。

・ハチの巣に近づかない。

・ハチが近づいてきても、騒いだり、手を振って追い払ったりしてはいけない。

・じっとして動かないのが一番よい。

・ハチが攻撃態勢をとっている カチカチという音や近くを飛び回っている ときは

姿勢を低くして静かに遠ざかる。

スズメバチの巣 (直径30~70cmぐらい)

(17)

◇注意が必要な動植物とその対処法の具体例◇

アシナガバチ

<特徴>

全国に分布する。スズメバチよりも小型で、脚

が長く、体は黒、褐色、黄色の縞模様に彩られ、

全体的に細身である。

スズメバチよりも攻撃性は弱いが、人家近くに

営巣するため、遭遇する頻度は高く、間違って巣

に触れたときなどに刺される事故が多い。

セグロアシナガバチ

<症状>

・スズメバチよりも軽度だが、刺されると激しい痛みを感じ、大きく赤く腫れる。

・重傷の場合には、おう吐、発熱、全身浮腫などがみられる。

<手当て>

・ハチの毒は水にとけやすいので刺されたらすぐに患部を流水で洗い流す。

・抗ヒスタミン剤を含んだステロイド軟膏を塗る。

・濡れタオルや冷湿布などで患部を冷やすと痛みが軽減する。

・できるだけ早めに病院へ連れて行く。

<予防法>

・黒っぽい服装をさける(黒色は八チを刺激しやすい色です 。

・あらかじめ巣がないかよく調べておく。

・巣を落とすのならは、作り始めの時期に。

・ハチの巣に近づかない。

・ハチが近づいてきても、騒いだり、手を振って追い払ったりしてはいけない。

・じっとして動かないのが一番よい。

(18)

◇注意が必要な動植物とその対処法の具体例◇

ミツバチ

<特徴>

・日本に生息するのはセイヨウミツバチとニホ

ンミツバチの2種。

・どちらも働きバチの体長は13mm前後。

・全国に分布している。セイヨウミツバチは養

蜂家が飼育するのがほとんどで、ニホンミツ

バチは山野の木の根元などに営巣する。

・巣や花に来ているハチに近づいて、過度に刺

激を与えると攻撃される。

セイヨウミツバチ

<症状>

・刺されると痛みを感じるが、すぐに痛みはなくなる。

・刺されたところは赤く腫れてくる。

<手当て>

・ミツバチの針は、スズメバチやアシナガバチと異なり、針の表面に小さな逆針をも

つため、皮膚に食い込んで自然に抜けないので、まずピンセットなどで針を抜く。

・ハチの毒は水にとけやすいので刺されたらすぐに患部を流水で洗い流す。

・抗ヒスタミン剤を含んだステロイド軟膏を塗る。

・濡れタオルや冷湿布などで患部を冷やすと痛みが軽減する。

・強度のショック症状があるときはすぐに病院に運ぶ。

<予防法>

・黒っぽい服装をさける(黒色は八チを刺激しやすい色です 。

・あらかじめ巣がないかよく調べておく。

・ハチの巣に近づかない。

・ハチが近づいてきても、騒いだり、手を振って追い払ったりしてはいけない。

・じっとして動かないのが一番よい。

・飛び回っているハチや巣に触れないようにすることが一番の予防。

*ショック症状とは 呼吸が速く苦しそう、脈が弱く、脈が速い、顔色が青白いなど・・・

(19)

◇注意が必要な動植物とその対処法の具体例◇

ツタウルシ

(ウルシ科)

<一般的な特徴と見分け方>

ツタウルシ ツタ 共通点 落葉つる性の植物。他の樹木や岩などをはい登る。 ウルシ以上の強い作用があり、近づくだ ちがいの けでかぶれることも珍しくない 一例 軸が赤い色をしている。 葉の縁 葉の縁 ・なめらかで、でこぼこしていない。 ・ノコギリのようにギザギザとした鋸歯がき ょ し 見られる。 ・葉に切れ込みが入り3つに分かれている。

<症状>

葉や幹を傷つけると、ウルシオールという毒成分に

より、顔や頸部、手などに水疱性の炎症をおこし、後

に赤く腫れ、激痛におかされる場合もある。

<手当て>

・患部をよく水で洗い流し、かゆみ止め軟膏をぬる。

・決して、患部をこすったり、かいたりしない。

・患部を冷やすことによって腫れやかゆみを軽減でき

ツタウルシ(5月30日撮影)

る。

<予防法>

・長袖、長ズボンを着用するなど肌の露出を少なくする。

ツ タ

ツ タ ウ ル シ

切 れ 込 み あ り

(20)

◇注意が必要な動植物とその対処法の具体例◇

ヤマウルシ・ヌルデ・ヤマハゼ

(ウルシ科)

<特徴>

・羽状複葉(軸の左右に葉や脈が並んでいる

形)である。

・軸が赤っぽい色をしている。

・秋になると紅葉する。

・山の道沿いや林のふちなど日当たりのよい

場所に生える。

<症状>

ヤマウルシ(5月30日撮影)

・樹液に触れるとかぶれる。

<手当て>

・患部をよく水で洗い流し、かゆみ止め軟膏をぬる。

・決して、患部をこすったり、かいたりしない。

・患部を冷やすことによって腫れやかゆみを軽減できる。

<予防法>

・長袖、長ズボンを着用するなど肌の露出を少なくする。

・さわらない、近づかない。

ヌルデ(5月30日撮影) 紅葉したヌルデ(10月31日撮影)

(21)

◇注意が必要な動植物とその対処法の具体例◇

トビズムカデ

(ムカデ)

<特徴>

・落ち葉や朽ち木、石の下など、暗くて湿った

場所に生息する。夜行性でしばしば家の中や

テントの中などに入ってくることがある。

・人が触れると噛まれることがある。

<症状>

・かまれると激痛が走り、腫れ、リンパ管炎、リンパ節炎などが生じる。

・重傷の場合は患部に潰瘍(かいよう 、壊疽(えそ)を起こす。

・痛みが1週間以上続いたり、発熱をしたりすることがある。

<手当て>

・虫さされ薬を塗る。

・腫れがひどいときは冷たい水で冷やす。

<予防法>

・素手では触らず、タオルや割り箸などを使って排除する。

作成協力者 河 辺 い き も の の 森 東近江市 花と緑の推進課 丸 橋 裕 一 みなくち子どもの森 学芸員 河 瀬 直 幹 参考文献 (社)国土緑化推進機構『森の中の自然体験プログラム集 、2003年、』 pp.6-7 文部省生涯学習局『子どものための自然観察マニュアル 作成の手引き 、2000年』 濱野周泰『葉っぱでおぼえる樹木 、2005年、柏書房、』 pp.206-210、 .241、 .77p p 羽根田治『野外毒本』山と渓谷社、2004年、 .84、p pp.110-114、pp.138-139

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